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● フ ィ ラ リ ア 予 防
フィラリア症とは、ご存知の通り、蚊が媒介する寄生虫です。多くの書籍やネット上には、フィラリア症によって生じる病気については多数の記載がございますので、このHPでは、少し違った視点からフィラリア症について解説いたします。フィラリア症を予防する際に重要な事が3つあります。
まず1つは、フィラリア予防薬とは、正確には「フィラリア症予防薬」であるということです。これは「予防薬」ではなく「駆虫薬」になります。体内に入り込んだフィラリアの仔虫(子供)を殺虫薬によって退治していると考えていただけると良いと思います。また、「10月に投薬」したとすれば、それは「9月に刺された分の殺虫」というように、「1ヶ月前に刺された分を殺虫する」というイメージを持っていただけると良いと思います。つまり、「8月に山に連れていくので、フィラリアの薬を忘れないように飲ませなきゃ」ではなく「8月に山に行ったので9月は忘れないように飲ませなきゃ」と考えるようにしましょう。
それでは「日本犬糸状虫研究会」の発表を記載しておきます。以下は「東京都フィラリア感染期間」についてのみの発表ですのでご注意下さい。
・2002年 開始5/12 終了11/3
・2003年 開始5/14 終了10/26
・2004年 開始5/10 終了10/28
ということから、東京都では5月下旬~6月上旬に投薬を開始し、11月に投薬を投薬を終了すればほぼ完璧な予防が行えると考えられます。しかしながら、都内の目黒、世田谷近郊であれば、10/15以降を最終とすれば、まず間違いないと考えております。水辺にお住まいの方、公園のお近くの方は「+1」で7回投薬。しばしばワンちゃんと東京都外へお出かけの方は8回投薬を行えば完璧な予防ができると考えております。
・2つめは、投薬を忘れた場合です。フィラリアの検査は成虫抗原検査といい、大人になったフィラリアが排泄する「毒素」をチェックすることで陽性か陰性かを区別します。フィラリアは大人になるまで6ヶ月かかりますので、たとえば「8月に投薬を忘れた場合」→「7月に刺された分が駆虫できていない」ということになりますので、7月から6ヶ月をプラスして、翌年の1月以降でなければ、検査は行えないということになります。
・3つめとしては、フィラリアの予防を全くしていなくても全くフィラリア症にならない子と、1ヶ月忘れてもフィラリア症になる子がいるという事実についてです。これは「運」であるといっていいでしょう。もう少し医学的に考えますと「感受性の大小」によって決まるといって良いでしょう。たとえば、ウサギも猫もフィラリア症になる事をご存知でしょうか。しかしながら、認知度も低く、さらに予防しているかたもごくわずかであると思います。これは、自然抵抗性が有り、刺されても、ほとんど発症しないからです。
・当院の場合、過去にNPO団体とともに、世田谷保健所のワンちゃんの里親を募集する手伝いをしていたのですが、やはりフィラリア症は依然として40〜50%近くをしめておりました。つまり放置しておくとかかる病気。1年忘れたから必ずかかる病気ではない。1ヶ月忘れてもかかることがある。そんなふうにお考えいただき、都心であっても予防をしなければ確実にリスクは高まるということを知っておく必要があります。
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● フ ィ ラ リ ア 予 防 料 金
・毎年約 6〜7回 毎月の投薬が必要です( 下記は税込み価格です )
・多頭割引:2匹以上のかたは2匹ともに20%OFFとなります。
・毎年行う血液検査は1580円になります(診察料・税込み)
・錠剤タイプ、おやつタイプなどございます。下記は錠剤タイプの料金になります。
・シェルティー、コリー、オールドイングリッシュなどMDR1遺伝子関連の犬種に関しましては別のお薬になります。
★ 0.0 〜 3.0 kg 未満 : 890円 / 月
★ 3.0 〜 5.6 kg 未満 :1050円 / 月
★ 5.6 〜 11.0 kg 未満 :1680円 / 月
★ 11.0 〜 15.0 kg 未満 :2100円 / 月
★ 15.0 〜 17.0 kg 未満 :2310円 / 月
★ 17.0 〜 22.5 kg 未満 :2420円 / 月
★ 22.5 〜 26.5 kg 未満 :2630円 / 月
★ 26.5 〜 28.0 kg 未満 :2730円 / 月
★ 28.0 〜 30.0 kg 未満 :2840円 / 月
★ 30.0 〜 33.5 kg 未満 :2940円 / 月
★ 33.5 〜 37.5 kg 未満 :3050円 / 月
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● ノ ミ ・ ダ ニ 予 防
○ ノミは当院の周囲でも非常に多く認められます。現在、ワンちゃんにつくノミの90%は「猫ノミ」と呼ばれるノミです。通常はノミの感染経路をドッグランなどで接触感染した、あるいは、散歩中に草むらで感染と考えがちですが、実際には「野良猫」が感染源になります。野良ちゃんのいた場所に足を踏み入れることでその「振動」によりサナギが孵化し、ワンちゃんにつきます。つまり散歩における予防法はほとんどありません。野良ちゃんが歩く場所であればどんな経路からでも感染すると考えて良いでしょう。蚊にさされやすいヒトがいるのと同様、ノミに感染しやすい子と感染しにくい子がいます。予防しないとすぐにかかる子、予防をしたことがなくてもかからない子がいます。ノミは毎年コンスタントに好発しておりますが、年によってノミの多い年、ノミの少ない年などあるように感じます。またその年々で発症の中心点はことなり、スポット的な発症をしているように感じます。たとえば2010年を例にとれば、八雲5丁目、八雲4丁目、東ヶ丘、深沢2丁目ではノミを主訴に来院されたワンちゃんが多い。というような感じです。
ノミに感染した場合、サナダムシ(瓜実条虫)の感染の危険があります。詳しくは寄生虫をご覧ください。
○ ダニにつきましては、東京都、特に駒沢周辺ではさほど多く認められません。ただしこちらはノミとことなり、あまり刺されにくいとか刺されやすいという差が感じられず、地方にワンちゃんとあそびにいかれた方ではかなりの確率でダニに感染して帰ってきます。数え切れない(1000匹以上??)のダニをつけて帰ってこられたワンちゃんもいらっしゃいます。ダニは、1日1cc吸血します。1万匹だったら、一日1000ccということなり、小型犬であれば生体は亡くなってしまいます。そう考えると少し怖いです。旅行にわんちゃんと出かけて出先でダニに感染したけれど、近くには動物病院がない。こういうことにならないように、特に地方におでかけの際には、ダニの予防は必ずお奨めします。ノミのほうがイヤだと感じていらっしゃる方もいらっしゃいますが、ダニはたまにこういった重症感染の方を診察するため、命に関わるわけですからきちんと予防することが大切です。
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● 寄 生 虫
○ 回虫、コクシジウム、サナダムシ(瓜実条虫)。この3つ
が当院周囲でもっとも頻発する寄生虫です。
回虫およびコクシジウムは幼若犬(ペットショップあるいはブリーダー)から、初のワクチンで病院に来院されたときにしばしば発見される寄生虫です。特にコクシジウムは下痢や成長不良をおこしますので、きちんと治療しなくてはなりません。直接肛門から採取される便では量がたりず、感染していても陰性を示すことがあります。便の新しさには関係ありませんので、1回分をお持ちいただいて検査しましょう。当院ではワクチン接種の際に便検査を無料で行っておりますので、ワクチンの際には便をお持ちください。検査は10分程度で終了いたします。
○ サナダムシは感染源がノミになります。ノミに吸血された際に感染する寄生虫です。
サナダムシだけは便検査でみつかることは少なく、多くの場合、ワンちゃんが座っているマットの上に乾燥した小さな米粒状のものが転がっていたり、おしりの周りに「蛆=ウジ」のようなものがついていたりします。
○ 寄生虫ではありませんが、「ジアルジア」あるいは「トリコモナス」
とよばれる原虫がいます。寄生虫同様に下痢、嘔吐、食欲不振、成長不良をおこします。そのほかにも寄生虫にはたくさんの種類がありますが、当院周囲ではこれらの寄生虫に対して注意をはらっておけば大丈夫でしょう。
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○ ま と め
・回虫 :幼若時発見される。症状はあまりない。便をお持ちください。
・コクシジウム:幼若時発見される。下痢や食欲不振。便をお持ちください。
・サナダムシ :ノミから感染する。症状はあまりない。見て判断する。
・ジアルジア :幼若時発見される。下痢や食欲不振。肛門から直接便を採取する。
・トリコモナス:幼若時発見される。下痢や食欲不振。肛門から直接便を採取する。



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